ブリーム健在

 引退宣言をしたジュリアン・ブリームですが、元気そうに自宅でギターを弾いている写真をある方からいただきました。今年で77歳、日本で言えば喜寿ですが、その眼光は鋭く、まだまだお元気な様子。右手の形も懐かしいブリーム・タッチですね。あの形でスル・ポンティチェロからスル・タストまで、頻繁にポジション移動して音色を変えるのがブリーム流です。ギターは何でしょう? ハウザーのようですが、新しいコピー・モデルのようでもあります。




 昨年だったか、ロンドンのワシリー・サバさんを通してブリーム氏から、昔、武満氏と対談した際の写真を記念に欲しいと言われ、スキャンして送ったことがありました(写真:小山田弘和)。このとき、武満氏はウィスキーをぐいぐいと呑みながら新作〈森のなかで〉について熱く語りましたが、同じく飲兵衛のブリーム氏は敬意を表してか(?)、手をつけませんでした。酔って失言を吐くのを恐れたのかもしれません。




 さらに昔の写真をもう1枚。20年くらい前でしょうか、残業中のGG編集部に突然ブリーム氏が現れました。来日中で河野賢氏と会食の後、一緒に来られたのですが、まあ驚いたのなんのって……。目的は新作の河野ギターの試奏でした。いきなりサウンドホールに手を突っ込んで力木をチェックするなどは、さすがに楽器の構造に詳しいブリーム氏の面目躍如。しばし目の前で巨匠の演奏を聴くことができました。残業してて良かった! と思った一時でした。



(SN)