現代ギターの歴史

創業

河野 賢

現代ギター社は、日本のクラシックギターの発展と共に歩んできた出版社です。

その歴史は1967年2月14日にギター製作家・河野 賢(1926-1998)による創業で始まりました。

同年4月号より現在に至るまで、毎月クラシックギター専門誌「月刊現代ギター」の発刊を続けています。

当時、日本は空前のギターブームに沸いていましたが、河野は日本のクラシックギター文化のさらなる発展の可能性を確信し、その普及と発展に情熱を注ぐことを決意したのでした。

クラシックギターブーム

ホール画像

多くの音楽関係者の協力を得て創刊された「現代ギター」は、クラシックギターブームに支えられ、順調に発行部数を伸ばします。

また、1967年5月には本誌と連動したラジオ番組「ギターへの誘い」を文化放送でスタートさせました。

創業以来、現代ギター社は東京都豊島区西池袋にあった(有)河野ギター製作所の一角で業務を行なっていましたが、1968年12月に池袋のオフィスビルに移転し、事業を拡大していきます。

地下にはスペインのバルを模した「プラサ・デ・ギターラ」も併設され、毎日プロギタリストやギター愛好家で賑わっていました。

1972年7月には郵便貯金ホールにて、当時三羽烏と呼ばれた荘村清志、芳志戸幹雄、渡辺範彦に菊池真知子を加えた4人で、東京フィルハーモニー交響楽団をバックにギター協奏曲を演奏するコンサートを主催し、熱気に満ちた満席の観客からは素晴らしいコンサートと評判を得ました。

同年8月には北軽井沢で第1回となるサマースクールを企画し、クラシックギター業界では先駆けとなる企画を実施しています。

新社屋

GGサロン

現代ギター社が池袋付近の要町に自社ビルを建設したのは1987年8月のことです。

自社ビル内にはクラシックギター専門店GGショップ、編集部、営業部が入り、5階には小ホールであるGGサロンが開設されました。この頃から通信販売事業も開始しています。

また、5階に建設したGGサロンが狭すぎて音響も思わしくなかったため、それを憂慮した河野は、ビルを増築し、4階に80席のGGサロンを改築しました。

それ以降、GGサロンでは国内のギタリストはもちろんのこと、世界的に有名なギタリストのコンサートも開催され、ギタリストには演奏の場を、愛好家にはギター音楽鑑賞の場を提供し続けています。

GGサロンが4階に移転して空いた5階には、クラシックギター教室であるGG学院が本格的に開校しました。当時の講師には渡辺範彦などが名を連ねていました。

現在でも、世界的に見て一流と評価されるギタリスト、そして海外留学経験者のみを講師条件として複数のギタリスト講師を迎え、100人を超える生徒さんたちが日々、切磋琢磨しています。

バトンをつなぐ

桜井 正毅

1997年、病に伏した河野は、親戚でありギター製作の愛弟子である桜井正毅氏(1944-2025)に経営を委ねることになります。

上智大学理工学部電気・電子工学領域を卒業した桜井は、河野ギター製作所と現代ギター社の舵取りを担うことになります。

桜井は科学的な裏付けと類稀な木工技術を駆使して銘器を作り上げると同時に、河野の考えを継承し現代ギターを出版社として国際的な企業に育てていきたいと考えていました。

ギター製作の面では、桜井正毅氏が1988年の第4回パリ国際ギターコンクール・ギター製作部門で一等賞(プルミエ・プリ)を獲得し、「桜井ギター」という自身のブランドを確立させます。

2000年には、現代ギター誌の判型がB5からA4に変更され、写真や読みやすさが増し、内容も国内外の著名ギタリストへのインタビュー、演奏会情報、新刊楽譜の紹介、奏法解説など、多岐にわたる内容を網羅するようになります。

これにより、断片的であったギターに関する情報が体系的に提供されるようになり、ギター界に大きな影響を与えます。

クラシックギター界の未来のために

取り扱い商品

GGショップでは創業者・河野 賢が目指した「クラシックギターに関するものはすべて揃える」という意思のもと、自社および他社の出版物をはじめ、輸入楽譜、そして楽器本体やアクセサリーなどを創成期から取り扱っています。

また、看板商品である「月刊現代ギター誌」は、2017年に創刊50周年、2022年4月号で通巻700号を超え、世界で最も長く続くクラシックギター専門誌として今もなお発刊を続けています。

社屋内のGGサロンを利用したコンサートやイベント、社外の大型ホールでのスペシャルコンサートなどを通じ、今現在もクラシックギターの魅力を伝え続けています。

最後に

濱田 滋郎

音楽評論家の故・濱田滋郎氏から、現代ギター社が50周年を迎えた特集号に寄せていただいた言葉を紹介します。

「ギターという掛替のない楽器があり、その世界に注がれる人々の愛着と憧憬がある限り、『現代ギター』の歩みも止むことはあるまい。そのバックナンバーは、既にギターを愛する者の聖典をなしている。その光芒が末永く保たれることを念じて、心底からのお祝いとしたい。」

この言葉を胸に刻み、社員一同、クラシックギタリスト、クラシックギター愛好家、業界関係者に愛される企業を目指し、これからもクラシックギターの発展と普及に邁進してまいります。