石月一匡による、ヨーゼフ・ハイドンのリラ・オルガニザータ(ハーディー・ガーディーの一種)のための協奏曲を、ギターと弦楽四重奏用にアレンジした楽譜です。以前、氏の編曲によるハイドンのギター協奏曲第 2 番&第 3 番をご紹介しましたが、本曲集はその続きとなる第 4 番 & 第 5 番です。前回に引き続き、ハイドンをこよなく愛した石月による鮮やかなアレンジ術によって、この古典派の大巨匠の作品が見事なギター五重奏曲へと生まれ変わっています。
弾いてみると、古典派らしい上品で伸びやかに歌う旋律が美しい……ギターの古典派というとどうしても 19 世紀の作品になってしまうので、ハイドンのような 18 世紀古典派の音楽はなかなか味わうことができません。本曲集は、そんなギタリストにとって貴重な学びの機会を提供していると言えます。 (坂場圭介)月刊現代ギター2022年3月号新刊案内より