【書籍】〈光のない練習曲〉失明の危機を乗り越え世界に羽ばたく少女ギタリスト/手塚健旨・著

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ギタリストでありギター史家でもある手塚健旨氏によるギター小説(!)です。
ギターにまつわる小説と言えば平野啓一郎氏による『マチネの終わりに』が記憶に新しいですが、著者はあくまで小説家でした。
それに対して本書はギタリストの執筆による小説であり、ギター史に造詣の深い手塚氏ならではの知識や経験が端々に散りばめられており、大変興味深い内容となっています。
話の筋としては、目に先天性の障害を抱えた女の子「小泉あさひ」がクラシックギターに出会い、たくさんの人に囲まれながら、ギタリストとして成長していく物語です。
著者によれば、かのセゴビアが失明の危機に立たされた時に書いた〈光のない練習曲〉からインスピレーションを得てこの物語を書いたと言います。
物語を楽しみながらギターにも詳しくなれてしまう小説です。 ( 坂場圭介)
[現代ギター、2022年10月号より]


[目次]
第1章 プロローグ
第2章 苫小牧のレッスン
第3章 2つの道内の音楽コンクール
第4章 東京
第5章 右目の手術
第6章 ユーンさんとの出会い
第7章 学生ギターコンクール
第8章 スペイン留学
第9章 マリア・テレサのレッスン
第10章 コルドバ
第11章 タレガ
第12章 セゴビア国際ギターコンクール
第13章 光のない練習曲
第14章 アランフェス協奏曲
第15章 ハッピー珈琲店
第16章 カナリア島
第17章 闘牛士の剣
第18章 バレンシアとバルセロナ
第19章 アルハンブラ国際ギターコンクール
第20章 マヨルカ島
第21章 ショパン博物館
第22章 フランシスコ・タレガ国際ギターコンクール
第23章 ポルトガル
第24章 天正少年使節
第25章 悩み
第26章 パリ公演
第27章 入院
第28章 水の都ヴェネツィア
第29章 心臓発作
第30章 サロブレーニャ
第31章 遺書
第32章 エピローグ
あとがき


[著者プロフィール]
手塚 健旨(てづか・たけし)
Takeshi Tezuka (Guitarra)
札幌市出身。1972年より5年間スペインに留学。
レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ、ナルシソ・イエペス、ホセ・ルイス・ゴンサレスの 各氏に師事。帰国後、コンサート及びギター教授活動を続ける傍ら音楽雑誌への執筆、CD解説も行う。現在は国内はもとより、ヨーロッパ各国、トルコ、南米などで多くのコンサートをもち、各国の主要国際ギターコンクールの審査員も務めている。

著書多数。『スペイン 音楽紀行』、『スペイン音楽と美術の旅』(音楽の友社)の他、『フランシスコ・タレガ』A.リウス著/翻訳 手塚健旨(現代ギター社)、ギター専門誌「現代ギター」の連載をまとめた『ギター名曲ミステリー』(現代ギター社)、新たに発見された貴重な資料を元に書き下ろした『手帳と手書き譜から辿る フランシスコ・タレガ伝』(2021年 現代ギター社)など。

ギター教本『ターレガのギターレッスン』(編著)、『最も速く上達する《ターレガのテクニックによる毎日のギター練習》』を2019年、2020年に出版。ギターソロ、他多数のCD発売中。
2013年11月、スペイン・リナレス市のアンドレス・セゴビア財団より、アンドレス・セゴビア賞のメダルを授与。2019年、ギター音楽の普及に対する貢献が認められ、スペインのハエン県のAteneo(学芸員)会員認定。2022年5月、リナレス市より表彰され、セゴビア博物館に「Sala de Musica Takeshi Tezuka テヅカ タケシ 音楽サロン」が作られる。